NHK俳句 番組投稿句
NHK俳句3月募集締切分の紹介です。
早いもので番組の1クールが終わり、撰者が入れ替わる時期になりました。
いずれも名うての俳人ですが、評価の傾向はだいぶ変わることになりそうで、出題された兼題にもさっそく特徴が顕れています。
そうした傾向のちがいも含めて、もし「歴代撰者のなかから誰かひとりと話をさせてあげるー」と言われたら、誰と話してみたいと思いますか?
筆者なら迷わず宇田喜代子先生のところへ行きます。
朴訥な句柄で心をわし掴みにする抒情性は、現代俳壇のなかでも群を抜いている気がするからです。
ことに太平洋戦争を詠んだ俳句は、詩というより哲学の域に達しているかに思えます。
すでにかなりのご高齢ですので、ご存命のあいだにせめて一度だけでもお話を伺う機会があれば……と夢見る今日この頃です。
兼題:日永
・ 友禅の瀞にゆらめく日永かな
― 一度でいいから着てみたい~♪
・ 煮しめ盛る夜の飴色をした日永
― 日永を色でたとえると飴色??
兼題:草餅
・ 茶柱として草餅に繊維あり
― 食べると幸せがやって来る…?
・ 重箱にもポリ袋にも草の餅
― 上五字余りを妥協して助詞「も」を採用した挑戦句
兼題:葉桜
・ 葉桜や自主練こなす新部員
― 初々しから逞しさへ変わる新人を葉桜にかけて
・ 花は葉に本に特攻機の歴史
― 戦史の句もライフワーク化しつつあります
兼題:罌粟の花
・ 六条の妃のあはれさに罌粟の花
― 六条御息所といえば元祖メンヘラ!
・ 一生に一事を成さむ罌粟の花
― たまには哲学の匂う句も
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