一句一遊 番組投稿句
「お遊びから気軽に俳句をはじめてヨシ!」
……と、力強く断定してくれた『一句一遊』と夏井いつき先生は、筆者にとって、いわば俳人としての原点です。
しかし周囲と話していると、『プレバト!』の撰者ということ以外、実際には作品を見たことがない人も多いことに気が付きました。
これはお世話になっている立場として、また一ファンとして、非常に残念でなりません。
そこで、『角川俳句』二〇一九年八月号より、先生の句をいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。
まだ見たことのない向きがいらっしゃいましたら、この機会にぜひ俳人夏井いつきの独特な世界観に触れてもらえれば……と思います。
『一遍聖絵 夏の巻』夏井いつき より七句
・ 一遍の腱は鋼ぞ時鳥
・ 麦畑は火のつきさうに乾きをる
・ 極楽は何処ぞ飯じゅくじゅくと饐ゆ
・ ぎしぎしの花や芥の灰に熱
・ 魚臭き銭施さる立葵
・ 身には布一枚汗に念仏す
・ 夕立がくるぞ念仏沸き立つぞ
引用:『角川俳句』二〇一九年八月号 より
兼題:玉蜀黍
・ もろこしの芯に乳歯の喜悦痕
― スカッとした夏の情景を勢いつけて詠みました
・ 唐黍としてインカより金を継ぐ
― インカ帝国と言えば金!久しぶりの詠史です
兼題:盆の月
・ 肺癌の楕円に映る盆の月
― この夏末期ガンを宣告された父のX線写真を見つつ
・ 中天へ東寺の視角盆の月
― 京都ひとり旅の吟行句を改変して
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